もう2週間近くたってしましましたが、名古屋で行われた WordPress のイベントに参加してきましたので、レポートをまとめました。長くなりましたので、分けています。本稿は1つ目のセッションの内容と感想などです。他の記事へのリンクは、本稿末尾に掲載しています。
- WordFes Nagoya 2013 公式サイト
http://2013.wordfes.org/
実は僕はイベントやカンファレンス、勉強会などで関西を離れて遠征したのは初めてです。日常業務の忙しさ、休日の家族との時間、費用などを考えて、これまでなかなか遠征することに躊躇していました。しかし昨今、 WordPress は弊社のサービスにとってとても重要なプロダクトの1つとなり、また今回のイベントでは僕の中で注目したいセッションがあったこともあり、参加を決めました。…実は、イベント参加者による宿泊企画にもエントリーしていたのですが、残念ながら業務と家庭の都合で辞退させていただき、本編と懇親会のみ参加となりました(これは後で失敗だったなーとかなり後悔しました。次回は必ず参加。来年のエントリーはまだかな?)。
Session 1: 進化する WordPress 3.7 & 3.8 の開発動向
今回聞きたかったセッションはまさにこのセッションでした。最近、WordPress 3.8 では何か劇的な改革?があるといった噂を聞いていたので、それが何か、にとても興味があり聴講させていただきました。
では、以下、頑張って控えた内容になります。
- 導入のお話
- WordPress の制作に参加する。
- 自分たちのものとして捉える
- 誰でも、RCバージョンをなどを使ってフィードバックできる
- バグとか見つけたら積極的に報告しよう
- WordPressは何故どんどん変わるのか?
- Webは高速に進化している
- WordPress も時代と一緒に進化していく必要がある
3.7 — セキュリティ&安定性向上
- WordPress のワンクリックアップデート機能の導入は革新的だった
- しかし、現状、アップデートを躊躇するユーザーもいる
- 動機:現状システムの安定性が脅かされるリスクがある
- 問題:セキュリティリスクが高まる
そこで…
1)WordPress開発プロセスの改善
- 現状、core.svn.wordpress.org にて開発が進められている
- 今後、develop.svn.wordpress.org に開発用リソースを配置して開発を進める
- 開発用ソース(CSSプリプロセッサソースなど)
- ユニットテスト
- 開発ツール
- 設定ファイル
- また、Grunt を採用する
- ⇒これまで散らばっていたこれらのリソースを集約する
2)セキュリティと安定性の向上
- アップデートの完全自動化!
- 当初は、マイナーアップデートのみ(将来は完全に)
- 疑問の声は上がっているが実現を目指す
- 言語パックの独立
- 将来的には、言語のみ、コアのみアップデートしたりできるようにする
- メリット:日本語化を待たずに Core アップデートできる(セキュリティに関する問題があった時、素早くアップデートできる)
- コアだけでなくプラグインも同様に。
- パスワードの強化の為の施策も実施
- 簡単なパスワードを制限したり、注意したりする機能
- 10月リリースを予定
3.8 — プラグイン方式開発
- 今後、新機能はプラグインとして提供する
- 現状:コアの機能はコアとして実装されている
- 今後:機能をプラグインとして開発していく(モジュール化?)
- メリット:単一の機能の、開発のサイクルを小さくできる
- MP6 — 3.6の開発時に試してみて上手くいった?
- MP6 は WordPress の新しい管理画面
- 既にプラグインとしてリリース済み
- 現在プラグインとして開発を進められているものたち
- Omnisearch — 横断的・包括的な検索
- Featured Content — おすすめコンテンツ機能
- Widgets UI Refresh — ???
- Admin Help — 管理画面ヘルプの改善?
- Content Block — ブロック形式でコンテンツを編集できる
- Dashboard — ???
- これらで間に合ったものは 3.8 のリリースに含まれる(はず?)
- TwentyFourteen — 次期デフォルトテーマ(実は間に合いそう?!)
- 今のトレンドを凝縮したようなものになる
- http://make.wordpress.org/core/2013/08/09/2014-theme-project/
- 12月のリリース予定?
WordPress 3.7、3.8 は以上のような意欲的な内容となるようです。自動アップロードの導入は、開発者の視点からすると色々な匂いを感じますが、必要なことではあるかも知れません。ただ、WordPress をアプリケーション開発の本格的なプラットフォームと考えると、多くの懸念が生まれることも間違いありません。あくまでも内部的なオプション(=一般ユーザーや管理者は触れない)として、自動アップデートをコントロールできる手段が用意されるだろうなとは考えていますが、どのようになるかは分かりません。上記のとおり、「完全な自動アップデート」こそは、目的を達成できる唯一の手段であることも間違いないでしょうから。
なお、個人的に勝手に期待していたんですが、コアのソースコードの刷新…といったような話はありませんでした。WordPress の最大のアドバンテージである既存のプラグインの資産を今後も継承していくためには、コアコードの品質改善を行っていくことは、やはり難しいことなのかな、と思います。アーキテクチャーを改めて欲しいとはちっとも思いません。WP_Post も final で良いです(笑)。現状通り、フックによるカスタマイズの手法が好ましいと思いますが、コアコードの統治性が改善されることは、今後 10 年の WordPress を考えるために必要なのではないかなーと個人的には思っていますし、その点に関しては、自動アップデートより優先されるべきかとも思ったりもしています。
(ここで「統治性」と書きましたが、「既に十分に統治されている」とお考えの方があればご意見ください。すごく興味があります!)
それでは、Session 2: ウェブ業界座談会 – フリーランス x 会社員 へ続きます〜。
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- Session 1: 進化する WordPress 3.7 & 3.8 の開発動向
- Session 2: ウェブ業界座談会 – フリーランス x 会社員
- Session 3: 帰ってきた!そこが聞きたい レンタルサーバー座談会
- Session 4: ノンプログラマーの為のWordPressセキュリティ入門 〜 懇親会
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